「慢性炎症」という言葉を聞いたことがありますか?
炎症と聞くと、どこかが腫れて熱をもったり、赤くなったり、風邪をひいて発熱したり……そんな状態を思い浮かべる方が多いと思います。
炎症は、本来、身体を守るために必要な反応です。
ケガをしたり、ウイルスなどが身体に入ったりすると、身体は炎症を起こして私たちを守ろうとします。そして役目を終えれば、その炎症は少しずつ落ち着いていきます。
一方で、身体の中で弱い炎症が長く続いてしまうことがあります。
これが「慢性炎症」です。
慢性炎症の厄介なところは、「痛い」「腫れた」「熱が出た」といった、わかりやすい症状が現れるとは限らないこと。
そのため、自分では気づかないまま続いていることもあります。
実は、病気だけの話ではありません
慢性炎症というと、病気に関係する話のように感じるかもしれません。
でも実は、老化や美容とも深い関係があります。
年齢を重ねると、
- シミやシワが増えてきた
- 肌のハリがなくなってきた
- 髪のツヤがなくなってきた
- 抜け毛や薄毛が気になる
- 爪の縦線が増えてきた
- 二枚爪や凸凹が気になる
など、肌・髪・爪にもさまざまな変化が現れます。
もちろん、年齢を重ねることは誰にでも起こる自然なことです。
一方で、加齢に伴って身体の中では弱い炎症が慢性的に起こりやすくなることも知られています。
こうした加齢に伴う慢性的な炎症は、「Inflammaging(インフラメイジング)」と呼ばれています。
「Inflammation(炎症)」と「Aging(老化)」を組み合わせた言葉です。
つまり、老化を考えるときには「年齢」だけではなく、「炎症」という視点もあるということです。
慢性炎症はなぜ起こるの?
慢性炎症には、ひとつではなくさまざまな要因が関係しています。
飲酒や喫煙、偏った食生活、睡眠不足、運動不足、ストレス、口腔環境、腸内環境など。
こうした毎日の生活の中にあるさまざまな要因が重なることで、身体が炎症を起こしやすい状態になったり、炎症が長引いたりすることがあります。
そして、慢性炎症を考えるうえで無視できないのが「腸」です。
腸は食べ物を消化・吸収するだけの場所ではありません。
腸内細菌や腸管のバリア機能、免疫系は互いに関わり合いながら、身体の炎症反応の調節にも関係しています。
だからこそ、身体の内側の状態を考えるとき、腸内環境も大切な視点のひとつになります。
老化に関わるのは慢性炎症だけではありません
さらに、身体の老化には慢性炎症だけでなく、
「酸化ストレス」や「糖化ストレス」
など、さまざまな要因が関係しています。
そして、慢性炎症・酸化・糖化は、それぞれがまったく別々に起きているわけではなく、お互いに影響し合っています。
少し難しい言葉ですが、今回は、
「身体の老化には、年齢以外にもいろいろな要因が関係しているんだ」
くらいに覚えておいてください。
酸化や糖化については、また別のコラムで詳しくお話ししたいと思います。
肌・髪・爪は、身体の内側に目を向けるきっかけ
年齢を重ねること自体は止められません。
そして、シミやシワ、髪や爪の変化も、すべてが慢性炎症によって起こるわけではありません。
でも、
「もう年齢だから仕方ない」
「乾燥しているから」
「とりあえず外からケアしておこう」
だけで終わらせるのではなく、
身体の内側では、今どんなことが起きているんだろう?
と考えてみることも大切です。
髪・肌・爪に現れる変化は、そんな身体の内側の状態に目を向けるきっかけにもなります。
外側から与えるだけでは改善しないこともある
肌に美容液を塗る。
爪にオイルを塗る。
頭皮に栄養を与える。
もちろん、外側からのケアも大切です。
でも、それだけではなかなか改善しないことがあります。
その理由のひとつとして考えられるのが、身体の内側で続いている慢性炎症です。
外側から整えることと同時に、その肌・髪・爪をつくっている「身体そのもの」にも目を向けてみる。
肌も、髪も、爪も、身体とは別々に存在しているものではありません。
年齢を重ねることは自然なこと。
でも、「年齢だから仕方ない」とすべてを片づけるのではなく、今の身体の状態を知り、見直せるところに目を向けていく。
それも、これからの美容やエイジングケアに大切な考え方なのではないでしょうか。
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